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邦楽の旋法について・・・日本人は何故か中近東の音楽やスパニッシュ音楽が好き(7)

前回は西洋の教会旋法の一つである「フリジア旋法」「平調子」に関連性があるのでは?と言う推測をいたしました。それは単なる音のつながりだけで無く聴覚的に日本人に馴染むと感じることも述べさせていただきました。
音の並びだけ見れば「平調子」はこの非ヨーロッパ的で不安定な旋法から音を選択したものと言えますが、その選択の仕方は調性上の解決の可能性を内包した第三音ははずしてしまい、ヨーロッパ音楽やジャズでは不安定と考え避けてきた「フラットした第二音」をあえて鳴らすと言う特徴があります。

教会旋法の世界でのフリジア旋法の評価は先に述べたとおり「天と地の間に浮かびながら停止する」と言うものでした。
フリジア旋法がそう評価されそう感じられているのであれば、平調子はそれを更に超え「天と地の間で永遠に安定することを放棄した旋法」と評していいのではないでしょうか?

私はそう感じますね・・・。

日本の平調子には安定への可能性を拠り所とするより、ただひたすら「天へと浮かぶこと」「神に近づくこと」を願った古代人の潔い心が込められているのです。

と言う事で「平調子」「雲井調子」を使った自作のフュージョンです。琴が弾くテーマとアドリブは邦楽旋法のみ使用しています。欧米人と違いことさらエキゾチックにせずむしろ邦楽旋法でいかに都会的に創るかに重点を置いているのが特徴です。

「朱雀草子」

*なおこの考察は完全な私見であることをご了承の上でお読みくださるようお願い申し上げます。
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邦楽の旋法について・・・日本人は何故か中近東の音楽やスパニッシュ音楽が好き(6)

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前回は邦楽の旋法である「平調子」を西洋音楽の視点で考えると「フリジア旋法」になること。そしてフリジア旋法は実は非常に扱いの難しい独特な旋法であることを説明しました。
実際、前回にお話したジャズにおいてフリジアを使用したスタンダード・ナンバー(「ナルディス」とか「ラ・フィエスタ」)は、民族音楽調ではありますが完全な民族音楽には足を踏み入れてはいません。フリジアである以上は「フラットした第二音 →AvoidNote(特性音)」をはずすわけにはいかにのですが、かと言ってそのまま使用すると先述のとおり「天と地の間に浮かびながら停止する旋法」、言い換えれば不安定な調性感が前面に出てしまうためか、第三音(dから始まるフリジアならf)をシャープさせて使用しているケースが多く聴かれます。こうすればこの「シャープした第三音」を導音として使用しいつでも調性上の解決が可能であります。
それにしてもこの「シャープした第三音」から感じることはジャズも所詮ヨーロッパ音楽の延長線上であるなぁ。ということです。調性的な解決の可能性を残した上でフリジアを使い上辺だけの民族音楽を聴かせているだけにしか思えません。しかもこの場合の「シャープした第三音」を持つフリジアは早い話が「ハーモニック・マイナー・パーフェクト5thベロウ」と呼ばれるスケールです。「和声的短音階」。まさにヨーロッパ音楽そのものです。

ちなみに「ナルディス」とか「ラ・フィエスタ」などの民族音楽調の曲はヨーロッパ人は単に「エキゾチック」と感じるのでしょうか?私の個人的意見かもしれませんが我々はフリジアを聴くと「エキゾチック」よりも懐かしさと言いますか馴染みやすさを感じるように思います。やはりフリジアと「平調子」には純然たる関連性があるのでしょうか?

次回はこの考察も最後となります。フリジアと「平調子」の関連性は?そしてそこからイメージされた邦楽旋法の美意識とは?

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邦楽の旋法について・・・日本人は何故か中近東の音楽やスパニッシュ音楽が好き(5)

前回、邦楽の旋法である「平調子」を西洋音楽の音階にあてはめたところ、変ロ長調(ト短調)でdから始まる音階の第三音=f、と第七音=cが無いもの。と言うことまで説明しました。
ここで西洋の音楽との比較を容易にするためにも、唐突ですが変ロ長調(ト短調)でdから始まる音階を無理やり教会旋法にあてはめます。するとこの音階はdから始まるフリジア旋法となります。
この考察の第一回冒頭でも述べさせていただいておりますが、各種の教会旋法あるいはジャズの「アヴェイラブル・ノート・スケール」に関する、一応の知識をお持ちである前提で書かせていただいてる旨をご了承ください。

フリジア旋法はとても使いにくい旋法だと思います。響きとしてはアラビア的ともスペイン的ともとれる非常に民族音楽調のものを持っており、実際、この旋法はジャズの世界では「ナルディス」とか「ラ・フィエスタ」と言った民族音楽調のスタンダード・ナンバーで使われています。「グレゴリオ聖歌」に関する書籍では「天と地の間に浮かびながら停止する旋法」 「甘美、神聖、恍惚、永遠の旋法」(水嶋良雄著「グレゴリオ聖歌」音楽の友社より) だそうです。ふーん・・・。
いずれにしても極めてヨーロッパ的では無い不安定な旋法と理解していただければいいと思います。
フリジアの不安定さ、使いにくさの理由はあくまで個人的な意見ですが、一般のマイナー系スケール(自然短音階とかエオリア旋法とかドリア旋法)と異なり旋法の第二音がフラットであることだと考えています(dから始まるフリジアならes)。ジャズの理論におけるアドリブの基本(バップの範疇ですが)である「アヴェイラブル・ノート・スケール」の考え方でもフリジアのこの第二音は「AvoidNote(特性音)」とされており、あまり長い音符で留まると調性感が不明確になったり旋律的で無くなったりすると教えています。逆に言えばフリジアをフリジアたらしめているのがこの「フラットした第二音」であるわけです。

邦楽の旋法である「平調子」を西洋音楽の視点で考えると「フリジア旋法」に近い旋法となることまで説明させていただきました。
次回でももう少しフリジア旋法について考えることを書かせていただきます。

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邦楽の旋法について・・・日本人は何故か中近東の音楽やスパニッシュ音楽が好き(4)

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前回ご説明したとおりポリフォニックな音楽を追求する中で耳当たりを重視した結果、転調を伴う音楽へと展開したことが12音律を「調性」という考え方の中で使用するに至った西洋の音楽ですが、もちろん日本や中国の音楽にも合奏は当然あります。あるのですが複雑に転調するような構造が無く、奔流のように楽器どおしが絡みあって継続する旋律を持続するためにも、日本や中国の音楽は音数を制限して「旋法のもつカラー」を破壊しないようにしたのでしょう。

さてえらく遠回りしましたが、何が言いたいかと申しますと洋の東西を問わずオクターブは12に区分され、その中から音を選択して並べたものが音階(旋法)であるわけですが、その選択が何を目的として選択されたか?が重要なわけです。
「平調子」です。

壱越(d)で始まる「平調子」はそれだけだと西洋的な調性感は感じられません。まぁ先に述べたとおりハーモニー重視では無く旋律重視であるため「調性」と言う考えが無いと言い切っていいわけですが、実際のところどうなんでしょう?
dで始まれば西洋で言うニ長調とかニ短調の雰囲気はあるのでしょうか?「平調子」をピアノなどで弾いていただくとわかりますがdから弾き始めてdで終えても西洋音楽で言う「終止」感はありません。何度も弾くと楽典などを少し勉強されて調性が理解できておられる方には、むしろ「属和音(ドミナント)」に近い不安定さを感じられると思います。
そこで五線譜に壱越(d)で始まる「平調子」を1オクターブ分だけ記載しましょう。eとhにフラットが付きesとbになっています。西洋の調の考えで言うとesとbが含まれる調は変ロ長調(ト短調)です。
試しに変ロ長調(ト短調)でdから始まる音階を先ほどの五線譜に併記しております。「平調子」と比較すると第三音=f、と第七音=cが無いことになります。

とりあえず邦楽の旋法が出てきたところですが次回こそ邦楽旋法について西洋の音楽との違いを考察していきたいと思います。

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邦楽の旋法について・・・日本人は何故か中近東の音楽やスパニッシュ音楽が好き(3)

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前回ご説明したとおり12音律は洋の東西問わずですが、その中から音を選択して音階(旋法)にした場合の音の数が西洋は8つ(例 ハ長調の長音階 cdefgahc)、これに対して中国や邦楽は5つ。つまりペンタトニックです(例 ハ長調のペンタトニックcdega 演歌やロックなどのメロディやアドリブ・ソロはこの音だけで作られることも多いですね)。
何故、中国などの音階(旋法)が5音なのかは東洋の五行説に基づくと言う説などを聞いたことがありますが、そういった宗教観と言うか古代思想も関係するのでしょうが、やはり東洋の音楽には西洋音楽で言うポリフォニーの考えが希薄だからでしょう。

西洋でもバロック時代よりももっと昔は旋法を中心理論とした旋律重視のモノフォニックな曲が主流で、曲の中で使用している旋法のカラーを不明確にする音使いを厳格にコントロールしています。いくつか音を選択しているわけですから考え方は東洋の音楽に近づくと思います。宗教的な音楽の本来の目的が教会でのお祈りを歌にすることであり、そのような要件の中で歌詞が聴き取りにくい複雑なポリフォニーは禁止されたことも理由ではあります。

しかし結果として西洋の音楽はポリフォニーを推し進めて複数声部による複雑なハーモニーを持つ音楽が主流となり、転調を伴う音楽へと展開したことが12音律を「調性」という考え方の中で使用するに至ったのだと思います。

次回は西洋の「調性」を駆使したポリフォニックな音楽に対する東洋の音楽を説明いたします。

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はじめまして。 中学生くらいに突如、音楽に興味を持ち「ブラバン」や「ロック・バンド」やよくあるコースで音楽を愛し、今はもっぱらDTMを趣味としてネットで自作曲を公開したりしています。

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