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最古の動物化石とスノーボール

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最古の動物化石(実際は細胞に含まれる化学物質の化石)が発見されたそうです。

<化石発見>動物最古 6億3500万年前の地層
2月24日10時59分配信 毎日新聞
 中東オマーンの沿岸で、約6億3500万年前の堆積(たいせき)層から海綿動物に特有の化学物質の化石を、米カルフォルニア大などの研究チームが発見した。動物では最古の化石とみられる。英科学誌ネイチャーに発表した。【河内敏康】

海綿動物は、最も原始的な動物。これまでは、中国南部の約5億7000万年前の地層から見つかった海綿動物の化石が最古の動物化石とされていた。
研究チームは、オマーン沿岸の浅瀬に堆積した地層を調べたところ、約6億3500万年前の堆積層からステロイドと呼ばれる化学物質の化石を多数発見した。このステロイドは、海綿動物の細胞膜に含まれるものだった。
従来の学説では、約6億年前まで地球は氷河時代で、その後徐々に温暖化し、5億5000万年前ごろから動物が爆発的に増えたと考えられていた。
▽川上紳一・岐阜大教授(地球惑星科学)の話 動物の起源が大きくさかのぼったという点で意義深い。今回の発見は、地球全体が凍結していた氷河時代にもかかわらず、動物が存在していた証拠と言えるため、従来の学説に変更を迫る可能性がある。

このニュースの意義は、この化石化された化学物質の持ち主の生きていた時代が「氷河時代」であることです。

ところで氷河時代と言うとマンモスやガンダーがうろちょろとして、ブリザード吹きすさぶ氷の世界を思い浮かべますが、実際は極地に氷河があればそれは「氷河時代」となります。ここ最近での無氷河時代は恐竜が生きていた温暖な気候の時代です。
そういう意味では現在も「氷河時代」なのですが、一口に「氷河時代」と言ってもブリザードの吹き荒れるような「氷期」と、その合間に現れる「間氷期」が繰り返されるので、今、我々が生きている時代は「間氷期」であるとされています。
ちなみに2004年に公開されたハリウッド映画「デイ・アフタートゥモロー」は、地球温暖化で南極の氷床が海に溶け込み海水温が下がり氷期になる。という話で、映画自体は

*環境問題、特に温暖化を問題視し→急激な氷期の到来で全人類が大打撃→さぁ、どうなる人間?!負けるな人間→ある地質学者が遊びに行った息子を助けるために(他人を巻き込みながら)氷原を歩いて助けに行く→いろいろな課題は山積。でも家族愛の大切さを高らかに謳ってEnd!

という失速感バリバリのトンデモ映画でしたが、氷期に入るプロセスの急激さに疑問は感じるものの着眼はおもしろかったと思います。実はなぜ氷河時代が起こるのか?はいろいろな要因が複雑でそのプロセスはまだ未解明な部分が多いのです。

で、ようやく本題ですが、上記で引用させていただいた記事で言う「約6億3500万年前」の氷河期とは、ここ10年くらいで議論されておりそのインパクト故によく取り上げられる「全球凍結(スノーボールアース)」のことを示しています。

この世にろくに生物もいなかった原生代の地球には
・ヒューロニアン氷河期(約24-22億年前)
・スターチアン氷河期(約7億6千万年~7億年前)
・マリノアン(ヴァランガー)氷河期(約6億2千万年前~5億5千万年前)
と呼ばれる氷河時代が存在したことが知られており、これらの氷河時代は赤道域まで氷床が及んでいたと言われています。つまりこの時代の地球は巨大な氷の球になっていたわけで、これを「全球凍結」と言います。

この環境下ではいったい地球の気温はいかほどであったのでしょうか?スパコンによるシミュレーションで算出された結果は
・北極や南極の極地でマイナス90℃
・赤道付近でマイナス50℃
というおよそ生命が存在できるとは思えない過酷にもほどのある環境であったと推測されています。先の「デイ・アフタートゥモロー」の中でも急激な気温低下でヘリコプターの操縦士がそのまま凍り付いてしまう場面や、映画の冒頭で口の中に食べかけの草が入った状態で発見された氷付けマンモスなどが描かれていますが、この環境であれば無防備に外気に触れればたちまちそうなるでしょうね。

ところで今回のこの「最古の動物(を構成した化学物質)の化石」の発見があるまで、つまり現在の地球上の生物進化の定説は以下のようなものです。

直近最期の「全球凍結」が始まる前(10億年前)の地球の生物は単細胞生物が主体で、多細胞生物は小形の菌類などしか存在しませんでした。しかしマリノアン(ヴァランガー)氷河期(約6億2千万年前~5億5千万年前)が終了した原生代末、いわゆるエディアカラ紀には、エディアカラ生物群と呼ばれる大形生物が出現しはじめました。
エディアカラ生物群の中には長さ1mを超える生物化石も産出しており、この突然の大形生物出現と直近最期の「全球凍結」との関係について今でも議論・検討が行われていますが、いずれにしても「大規模な氷河期」=「全球凍結」の終了が生物の爆発的な進化に大きな影響を与えていると推論されており、実際にエディアカラ紀に続くカンブリア紀にはバージェスや澄江に代表される多様な生物群が生まれたいわゆる「カンブリア大爆発」がありました。

これが従来の生物進化上の説でした。

ところが今回の発見でマリノアン(ヴァランガー)氷河期の過酷な環境の真っ只中で、海綿動物という大型の多細胞生物が存在した可能性が出てきたわけで、それまでは博物館などでも「「全球凍結」が終わったことで生物の進化が加速した」と説明していた資料や映像などは大幅見直しになるかもしれません。

今回ご紹介する博物館はなかなかにマニアックなんですが、時々「全球凍結」と生命の誕生に関する講義や子供向けのイベントが催される博物館です。

「蒲郡 生命の海科学館」

ちなみに数年前に実体をよく理解していない市民団体から「化石標本を不当に高価な代金で取得している」と訴えられて勝訴したことで一部有名です。「澄江」や「バージェス」の化石を履歴の明確なルートで購入するんですから、そりゃ目の玉が飛び出るような価格にもなりますわね。
実際はまず市場に出回ることの無い貴重な化石を、世界的に権威のある古生物学者などを通じて正式に購入しており、国際的にも専門家やマニア垂涎の標本を多数展示する極めて上質な博物館なんですが・・・。まぁえらい田舎にあるしなぁ・・・。地味だしなぁ・・・。でもほんとすごい標本なんですよ。

アノマロカリスのホンモンの化石なんて見たことあります?
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テーマ : 自然科学
ジャンル : 学問・文化・芸術

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