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モード・ジャズと一口に言っても・・・(7)

バップを続けることでそれなりの商業的成果はあげていたマイルスですが、先に述べたとおりその刺激的な進化にこそ価値のあるジャズにおいて、このスタンスは致命的であったと思います。
ここでマイルスはショーターとハービー・ハンコックを自己のバンドに招き大幅なメンバー変更を実行しました。ショーターの「独特の和声感とモードの融合」、ハンコックの「ファンキーなノリとモードの融合」が欲しかったのではないでしょうか?そしてそれを下支えできる強力なドラマーとベーシストにトニー・ウィリアムスとロン・カーターを配したのです。
彼らはマイルスの要求に想像以上の働きをしたと思います。ショーターはブルース感の希薄なぼんやりとしたアドリブスタイルが、コルトレーンやソニー・ロリンズなどのアクティブな物と比較して地味なせいかプレイヤーとしての評価が今ひとつの印象がありますが、作曲家としての独特の和声感は他のジャズ・コンボには無い世界を創り出しました。
「E・S・P」や「ピノキオ」などはアナライズすればするほど奥深い世界に驚かされます。と言うか解釈が多様でまさにモードでしかアドリブは不可能にすら思えます。
ショーターの地味さに比較し抜群のリズム感とファンクで鍛えたノリとフレーズをモードに持ち込んだのがハービー・ハンコックです。彼のファンクを残しつつモードを駆使したノリノリのアドリブは正直暗くてわかりにくいショーターの曲を、実にわかりやすく「かっこいい」ものに変化させました。
こうしてバップからの脱却に商業的には乗り遅れた感のあったマイルスは、ジャズというビジネスのトレンドを実に俯瞰的に観察し「どこにも無い和声感+モード+ファンク+強力ビート」の融合で1960年代のジャズ界を席巻したのでした。
カリスマ、ワンマンと評価されがちのマイルスですが、これだけ個性のあるメンバーを統括するからには「聞くべきときは耳を傾け、しかしイニシアティブは取る」才能があったのでしょう。当時としては非常に若いメンバーを集めたことも互いのスタイルを吸収しつつバンド・サウンドを発展させる推進力となったと思います。

以上、ものすごく間をあけながらとりあえずバップから進化の道を模索したジャズが紆余曲折しながらも、結局はマイルス・バンドでモードの完成形を見たあたりを例によって私見満載で考察しました。
実際はこの流れとパラレルにビル・エヴァンスが発展させた別の形でのモードと、その流をくむチック・コリア、キース・ジャレット。あるいはサックスでもショーターだけで無くジョー・ヘンダーソンなどと言ったプレイヤーがいるわけですが、そのあたりはまた別の機会に考察したいと思います。
個人的にはそちらのほうが謎が多い・・・。

1960年代の黄金グループによる初録音です。後年、新伝承派と呼ばれるマルサリス兄弟などもこのアルバムの曲を何曲も取り上げており、新主流派ジャズのスタンダード的なチューンが満載です。

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イー・エス・ピー - マイルス・デイビス
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はじめまして。 中学生くらいに突如、音楽に興味を持ち「ブラバン」や「ロック・バンド」やよくあるコースで音楽を愛し、今はもっぱらDTMを趣味としてネットで自作曲を公開したりしています。

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