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美しい涙を表現したい

EWのテーマ指定三部作は遂に完結です。

おもしろそうなんでトライしましたが、結構大変でしたね。
例えばアニメの挿入曲みたいに、各曲が編成とか曲調とかが異なる、夫々が独立した楽曲でテーマを表現するか、所謂組曲のような形式で編成や調性を関連付けて、3曲を通して聴く前提で一つのテーマを表現するか。取り組みの方法は参加された方々夫々であると思います。
実際のテーマ指定は「失恋」「温もり」「涙」の順番で、正直どう表現するか?そもそもこの順番でストーリーを想定することが根本の悩み事であった方も多いでしょう。私もこの順番はどうかと思いましたね・・・。

それはともかく、私は3曲は連続性のある組曲とし、すでに30年以上も前のコミックである、萩尾望都さんの「トーマの心臓」よりインスピレーションを得て創作いたしました。

すでに創作し公開させていただいた前2曲は、ご興味がございましたら以下でお聴きくださるとうれしいです。

組曲「トーマの心臓」より「これがぼくの愛」

組曲「トーマの心臓」より「ぼくの翼をあげる」

あと創作のコンセプトや「トーマの心臓」のあらすじは以下をご一読いただけるとよろしいかと思います。

「失恋」?!思い出したくもない!

「温もり」を感じたい!マジで・・・

そして今回の曲の場面設定となった物語のクライマックスです。

ユーリはエーリクによってトーマの自殺は、自分の愛を拒否したユーリへのあてつけでも、絶望でも無く、純粋にユーリを愛することから彼の魂を救うための一途なものであったことを理解する。
そしてエーリクもまたユーリを深く愛し、同じようにユーリの魂を救おうとしてくれていることに、それまで「神に愛される資格が無い」と頑なに閉じていた心を開くのであった。
ユーリはたとえどれほど罪深い生き様であっても、神は何人にも常に普遍的な愛を注いでいてくれることを知り、これからの生涯を神とともに生きることを決意し、シュロッターベッツを去って行くのであった。

さて、今回の第3曲でこの組曲も終曲となります。

組曲「トーマの心臓」より「たとえ死の谷を歩むとも」

前2曲はコミック中のセリフからサブタイトルを得ているのですが、今回の曲に限って、ラストにユーリが生涯を神とともに生きようと決意する意志を表現するのに、適切なセリフが得られなかったことから、有名な旧約聖書の詩篇23章からいただきました。意味は「いつでも神様は見ているから死だって怖くないよ」というような、結構Let it beなものです。

<参考:詩篇23章和訳>
主は羊飼いです。私は貧しいことはありません。
主は私を緑の牧場に置かれ、安らぎの泉に伴われます。
主は私の魂を蘇らせ、御名のために私を正しい道に導かれます。
たとえ死の谷を歩むとも、私は災厄を恐れません。
主が私とともにおられますから。
主の(羊を導く)むちと杖が私の慰めです。
私の敵の前で、主は私のために食事を用意し、私の頭に香油をかけてくださいます。
私の杯は、満ち足りています。
私の命ある限り、いつくしみと恵みとが私に訪れることでしょう。
私は、いつまでも主の家に住みます。

余談ですが大岡 昇平の代表作「野火」の冒頭に引用されていた記憶があります。
あとデヴィッド・リンチ監督の出世作「エレファント・マン」において、主人公の畸形の青年がこの詩篇を暗誦しているのを聞いた主治医が、それまでは知的障害があると考えられていたこの青年は、実は知的な人物であることを理解するシーンがあります。

作品の背景はこれぐらいにいたしまして、今回の作品の詳細でございます。

編成
弦群(ヴァイオリン、ヴィオラ、チェロ、コントラバスによる4声~5声)
チェンバロ(通奏低音)
フルート2、オーボエ1、クラリネット1、ファゴット1

先に公開させていただいた第2曲の編成にチェンバロが増えた編成となっています。

使用した音源は例によってSonicCellですが、最近ではすっかり私の作品ではお馴染みの拡張ボード「SRX-04 Symphonique strings」と「SRX-06 Complete orchestra」を使用し、プリセットは全く使用しませんでした。これではSonicCellじゃなくてFantomラックでも一緒じゃないかと突っ込むのはやめてください(笑。あっちのが高いし・・・。

調性はニ長調です。第1曲がホ短調、第2曲がイ長調でしたのでその流からこの調で決定しました。冒頭はまずロ短調から始まります。所謂4度進行のかなりオーソドックスな和声進行ですが、バックの弦や木管の声部の動きは掛留を使ったり、和声の移動に順次上昇・下降を使ったりすることで、一時的な不協和音が発生します。このあたりは和声音楽よりバロックなどの多声音楽でよく聴かれる響きを意識しています。

前奏は弦群が徐々に声部を増しながら旋律部分と同じ和声進行を刻みます。最初は単音から始まり、音が上下に重なることで静かさの中に緊張感を込めたつもりです。
この箇所は拡張ボード「SRX-06」のWarmStringsを使用しています。必要以上にモヤモヤとした立ち上がりの音色で、明確なリズムや旋律を鳴らすには不向きなのですが、十分に広がりを持たせたトラックの配置にして、できるだけノイズ成分をEQで排除してやるだけで、あとは何もしなくても幻想的になる不思議と使える音色です。

前奏に続いてゆったりとしたチェロの独奏が始まります。チェロは同じく「SRX-06」のSolo Celloという音色です。ベロの数値差によって音色が極端に変わるため慎重な打ち込みが必要ですが、うまくいけば結構リアルな鳴り方をしてくれます。うまく打ち込めば!ですが・・・汗。
本当はヴィオラ・ダ・ガンバで鳴らしたいぐらいですが、恐らくそんなライブラリを持っている音源は無いのでは・・・?
かなりスライドが入っています。ポジションの移動に伴うもののつもりですが、少しロマン派風のエロい感じですね(笑。

チェロのバックの弦群は、今度は「SRX-04」のEnsemble stringsという音色です。フルオケほど大袈裟な響きにならない分、旋律線が明確で伴奏的な部分ではすっかりお気に入りで使用しています。

チェロによる旋律の提示が終わり、今度は木管によるコラールです。ここもロ短調で始まりますが、後半にニ長調の属音であるラの音が継続して鳴ることで、ニ長調への移行をサポートさせています。かなり複雑に和音が動くように聴こえますが、先述のとおり多声音楽として聴けば、実は経過的な音が含まれているためにそう聴こえるだけであることがご理解いただけるかもしれません。
木管は全て「SRX-06」の中のオーケストラ用と独奏用の音色を使い分けています。
またこの木管コラールのバックの弦群は「SRX-04」のWarmStringsです。それほど緩やかな立ち上がりでは無いので、エフェクトの掛甲斐があるといいますか、エフェクト処理しないと正直使えないです。しかしいろいろ加工できるのでよく使用する音色です。

そして高音域と中音域でヴァイオリンとヴィオラがアルペジオを奏で、緩やかなバスの動きと木管の吹き流しを背景に、再度、チェロがつぶやくような素朴な旋律を奏でます。
この旋律は第2曲に通じるものを感じていただけると少しうれしかったりします。

このヒラヒラしたアルペジオで天国的なイメージが伝わればいいのですが、ここがユーリが神の愛に気付き、神と共に生きる決意をする場面です。

この三部作に取り組んでいたためにしばらくは室内楽編成が続きましたが、次は自分の原点であるフュージョンかジャズに戻りたいな。と思っていますが、ちょくちょく気が変わるんで全然違うものを創っていたりするかもしれません(笑。
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テーマ : DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材
ジャンル : 音楽

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はじめまして。 中学生くらいに突如、音楽に興味を持ち「ブラバン」や「ロック・バンド」やよくあるコースで音楽を愛し、今はもっぱらDTMを趣味としてネットで自作曲を公開したりしています。

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