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悪代官しぶしぶ謝るの話(あと新曲の解説)(1)

私の勤務先はいつからかはわかりませんが、会社設立から数えて「10周年」とか「55周年」とか切りのいい年度で、お得意先をお呼びして創立記念パーティーを開催します。
ごく最近にもそのパーティーが開催されました。

パーティーの運営は秘書室が主導で行いますが、会場内外でのお客様のアテンダントや気配りのためには相当の人員が必要なため、本社と近辺の支店営業所の管理職は総動員令により召集され役割が分担されます。

あれは9月の残暑厳しい中、よりによって入り口でお客さんの出迎えと案内を役割付けされた私は、もう一人の管理職と二人で会場となったホテルの入り口でただひたすら突っ立っておりました。
会場であるその地元でもかなり高級クラスに入るホテルの入り口は、当然ながら送迎のクルマが横付けできるように広い庇が設置されており、一応その日の強い日差しは遮っています。しかしながら入り口は大きな主要道路に面しているため、通行する大量のクルマから吐き出される排気ガスの熱が庇の下で溜まり、更には地面から上がる熱で空気はより暖められてまるで汗蒸幕に入っているかのよう。まだ朝の9時ですが背広とカッター・シャツの中は汗にまみれていました。

パーティーの開始は11時でしたのでぼちぼちと「いかにも金持ち」のお客さんがやって来ます。入り口に横付けされるクルマは3分の1はトヨタのセンチュリー。更に3分の1が同じくトヨタのクラウン。たまにベンツや日産のプレジデント、フォードのリンカーン・コンティネンタルなどが混じり、お金持ちの見栄が炸裂しています。
因みにトヨタが(一時)総力を挙げて販売戦略を展開したレクサスは意外と見当たりません。中古で値ごろに入手できることからわざわざお金持ちが新車で購入することはないのでしょうか?どうでもいいけど・・・。

お客に混じってタクシーで乗り付ける派手めのおねいさんたちは、今回のコンパニオンを受注した地元の芸者さんやホステスさんたちです。

という事で客やパニオンたちが会場に入ってしまえば、本当はもうこれ以上この入り口に立っていても大してやることはありません。ただただ暑く、足はむくむし腰は痛いしで早く解放されたい気持ちでいっぱいになっておりました。

会社の創立記念なぞ個人的には大してめでたいことでも無いのに、パーティーはビンゴゲームでもやっているのかダラダラと4時間もかかり、午後の日差しが相変わらず強く路面を照りつける中、ようやく午後3時頃になって客たちが会場からゾロゾロと出てまいりました。
暑さと退屈さと長時間立ちっぱなしで疲労困憊でかなりイラッとなっている私の目に、私の父親か祖父の世代くらいの爺さんたちが、一様に意地悪婆さんが選んだつづらのように見た目だけは立派な土産をぶら下げ、ほろ酔い気分でヨタヨタと出口へ向かってくる様が見えました。リビングデッドの大群を思い出して思わず苦笑する私・・・。
「そろそろ終了みたいだね」
出口を通り抜けてセンチュリーやらクラウンやら自分は生涯持つことは無いであろう高級車に、力無くぬいぐるみのように流れ込むじい様たちにお辞儀をしながら、私は相対する同僚に声をかけました。

パーティーが終了した後に同じ会場で運営に係った社員たちの打ち上げがあります。大した料理ではありませんが軽いオードブルとビールで乾杯し、一応は今日の働きをねぎらってもらえるわけです。ただし各自勝手に持ち場を離れてはダメで、秘書室長かその部下が撤収の声掛けをするまで待つよう指示があったため、私ともう一人のアテンダント担当は、来賓と一仕事終えて帰路につく芸者さんやホステスさんがすっかり途絶えたにも関わらず、とにかくその場でひたすら「撤収」の合図を待ちました。
えらく打ち上げの準備に時間を要しているのか?秘書室長は姿を現さず、我々二人は仕方なくかれこれ1時間ほど待っていました。昼抜きで立ち続けたために空腹はピークで、今や馬でも食えそうな勢いです。

その時でした。技術部の部長が真っ赤な顔でこちらに向かって来ます。そしてにこやかな笑顔で片手を上げると「お疲れ~!」と私たちに声を掛けて来ました。
「ええ!?」
どのアングルから見てもこの部長は打ち上げでひっかけてきた風情です。思わず問いかけます。
「あ、あの・・・。打ち上げ始まってるんすか?」
「おお!とっくに始まってもうあらかた終わったぞ」

私ともう一人は思わず顔を見合わせます。どうやら秘書室長の野郎。我々入り口のアテンダントのとこをすっかり忘却の彼方に追いやったようです。

怒りに震えながら会場に向かう二人。そこにはまったりリラックス・モードの社員たちが丸テーブルを囲みながらしばしの歓談を楽しんでいます。ビールはすっかり空になり、皿のオードブルも焼き魚とか殻付きエビとかパセリとかの不人気品目が悲しいくらいの残り物ぶりを見せ付けています・・・。

ここまで完全に無視されると最早怒る気にもなりません。仕方無く残り物を少し口にして、ホテルの1階にあるコンビニで買ったおにぎりを会場の隅でぱくついておりました。
するとそこへビール片手に社長が近づいて来ました。普段は仏頂面で口もききたくありませんが、さすがに大掛かりなパーティーを無事終えたことからか、珍しく機嫌よくビールをすすめながら話しかけてきました。
「おお!何だお前ら。足りなかったのか?」
あまり深く考えずに答えます。
「いえ。打ち上げ開始の連絡がうまく私どもに伝わらなかったようで・・・、もう食べるものも無いので・・・」
すると、サッと顔色が変わる社長。
「なにぃ!そうか!」
そう声を荒げるとその場を去って行きました。

おにぎりで何とか空腹はおさめて後片付けをしておりますと、秘書室長がチラチラと後ろを振り返りながら近づいてまいりました。
「すまんかったな。バタバタしてたんで連絡がうまくいかなくて」
どうやら社長にどやされたらしく、会場の中央から鋭い視線を投げる社長を気にしながら、水戸のご老人か遠山の金さんに一喝された悪代官みたいに一応は謝罪をしに来たようです。

どうせ言うほど豪華な打ち上げでも無かったのでさほど気にはしていませんでしたが、謝ってもらえるなら悪い気はしません。

しかしパーティーなんて見た目華やかなだけで、往々にして大した意義があるわけでも無いもんです。
そんな金ぴかパーティーなんて抜け出して、自由にやりたいようにやるさ!ってなおっさんなりのロックな気持ちを
込めて創りました。

「Beat feet! from the gilded cage」
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テーマ : DTM、宅録、ミックス、レコーディング、機材
ジャンル : 音楽

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Author:kanchikuan
はじめまして。 中学生くらいに突如、音楽に興味を持ち「ブラバン」や「ロック・バンド」やよくあるコースで音楽を愛し、今はもっぱらDTMを趣味としてネットで自作曲を公開したりしています。

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